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OakTree創業者、ハワード・マークスのご託宣:8/14/25 カテゴリー:投資

目次

本日付のもう一つのMarket Insight投稿内の推薦図書(2012年発行)の現状の市況解説版とも言えます。エッセイ風、哲学風、やや読み易く、平易に書かれている気もします。

真面目に投資について学びたい人にはかなりためになる内容と思います。下記のChatGPTによるまとめの下には全文の邦訳をつけておきます。不定期ですが、四半期ごとぐらいのペースで書かれています。

英語を真面目に体得したい方にはポッドキャスト聞くのを勧めます! Pdfを見ながら聞くと良いです!

https://www.oaktreecapital.com/  元々のURL:ポッドキャストもPDFも載っています。

上記の訳:


  • AIや関連する技術が世界を変える可能性が非常に高いこと
  • 一部の企業にとっては「異なる」可能性があること
     ― 上記の要素を真に体現し、「持続力」を示す企業は存在するが…
  • ただし「新しいもの」への投資では、多くの場合、過剰に多くの企業(しばしば誤った企業まで)を成功しやすいと見なす傾向があること

つまり、「AIは確実に大きな変化をもたらすが、真に成功するのは一部企業に限られる。他方で投資家は“新しいもの”に飛びつきすぎ、多くの誤った企業まで成功候補と見なしてしまう」という警告です。

40分のポッドキャストを聞いてましたが、上記は特筆事項、また、This time is Differentってのがどこまで本当かを見極める!

今回の11ページのご託宣のサマリーは同社URLによると、(ChatGPT訳、原文下記)

価値の計算(The Calculus of Value)

  • 最新のメモの中で、ハワード・マークスは「価値」と「価格」の本質、そして両者の重要な関係について述べています。
  • 彼は、価値が価格に「磁石のような影響」を及ぼすと主張しています。つまり、価格と価値の関係は長期的な投資成果に強く影響し、高いバリュエーションは将来の低いリターンを示唆し、その逆もまた然りということです。
  • 今日の米国株式市場は高いバリュエーションと投資家の楽観で満ちている状況にあり、彼は投資家に対し、ポートフォリオをある程度**防御的な方向へシフトする「投資即応態勢(Investment Readiness Condition)」**を検討すべきだと助言しています。
  • The Calculus of Value
  • In his latest memo, Howard Marks sets forth the essence of value and price, as well as the critical relationship between the two. He posits that value exerts a “magnetic” influence on price, meaning the relationship of price to value should be expected to strongly influence investment performance in the long run, with high valuations presaging low subsequent returns, and vice versa. In the context of today’s elevated U.S. equity valuations and widespread investor optimism, he advises us to consider going to an “Investment Readiness Condition” in which investors shift their portfolios somewhat in the direction of increased defense.

原文PDF: https://www.oaktreecapital.com/docs/default-source/memos/the-calculus-of-value.pdf?sfvrsn=8f602a66_2

こちらのサマリー:(by ChatGPT)

以下は、ハワード・マークス氏(Oaktree Capital)が 2025年8月14日に発表したメモ「The Calculus of Value(価値の計算)」の、日本語での要約です。


「The Calculus of Value」日本語サマリー

1. 価値と価格の本質と関係

  • 「価値(Value)」とは、企業や債券、不動産などの投資対象が持つ本質的な価値、つまり“内在価値”であり、利益創出力(earning power)に由来するものです。これには有形資産(建物や設備等)だけでなく、特許や経営能力、ブランド力といった無形資産も含まれます。Apple Podcasts+13Oaktree Capital+13Oaktree Capital+13
  • 市場価格(Price)は投資家の評価が反映された「投票」によって決まり、価値と価格の乖離が生じることがあります。Oaktree Capital+1

2. 価格への価値の「磁力」の影響

  • 価格と価値の関係は、時間をかけて投資成果に大きく影響します。価格が価値を上回る場合、将来的に下落しやすく、逆に価格が低すぎる場合は上昇しやすい傾向にあります。しかし、この「ミクロな矯正」は短期では保証されず、あくまで長期で見たときに期待される動きです。Oaktree Capital+1

3. 投資成績は「価値評価」と「価格変動」の両方から

  • 優れた投資成果を得るには、(a) 対象の価値を正しく評価し、(b) 妥当な価格で購入することが重要です。価値の変化と価格が価値に向かって収束する動き、この両方を正しく予測できる投資家こそが成功するという考えです。Oaktree Capital+1

4. 現在の米国株式市場のバリュエーション

  • S&P 500のフォワードPER(株価収益率)は約23倍と歴史的平均を上回る高水準であり、1987〜2014年期ではこの水準で購入した場合、10年後の年間平均リターンは −2〜+2%にとどまったとの分析もあります。advisoranalyst.com+1
  • 2025年初頭には株価下落と反発がありましたが、全体として現在の米国市場は「過熱(worrisome)」と評価されています。advisoranalyst.comOaktree Capital

5. 投資家心理と市場構造の観点からの注意点

  • 市場には「ミーム株」や過度なリスク受容、スプレッド縮小といった心理的・構造的リスクの兆候が見られます。advisoranalyst.comEvergreen Gavekal
  • その上で、AIや他の画期的な技術がもたらす変化への期待(“This time is different”)が強まっていることも確かです。が、多くの場合、成功する企業は限られており、過剰な投資がなされる傾向があることも指摘されています。Oaktree CapitalEvergreen Gavekaladvisoranalyst.com

6. 投資対応策としての「投資即応条件(INVESTCON)」

  • 市場が過度に割高で楽観的な局面では、防御的姿勢を強めることが賢明です。マークス氏は五段階(INVESTCON 6 → 1)の対応レベルを示していますが、現状ではレベル5(攻めから防御へのシフト)が適切と述べています。Oaktree Capital

全体の要点まとめ

  • 価値(fundamentals)と価格の関係を正しく理解することが長期投資の鍵。
  • 現在の米国市場は過熱気味で、高PERから将来リターンが抑制される可能性あり
  • 投資家心理に基づく価格変動に注意を払い、「価値」に戻る動きを見極める姿勢が重要。
  • 特にAIなどの新技術には期待される一方で、過度な過大評価への警鐘も。
  • **防御的な投資ポジションへの移行(INVESTCON 5)**を現時点では推奨。

本文の和訳は以下です。

以下は、ハワード・マークス氏による Oaktree Capital のメモ 「The Calculus of Value(価値の計算)」(2025年)の全文を日本語に訳したものです。


全文日本語訳:「価値の計算」

発行日:2025年8月13日
宛先:Oaktreeクライアント
著者:Howard Marks


1. はじめに

2025年7月28日に南米への飛行機でWi-Fiが使えず、メールや娯楽もない状況でメモを書き始めました。着陸後、顧客から多く寄せられた質問に対する答えとなる内容だったため、そのまま今回のメモにまとめました。


2. 背景:「bubble.com」から「On Bubble Watch」へ

1月2日は、私の初期メモ「bubble.com」の25周年記念日でした。それに合わせて発表した「On Bubble Watch」では、当時の米国株式市場のバリュエーションは高かったものの、バブルらしい過熱感は見られず、「高値だが狂気ではない」と表現しました。それから7ヶ月経ち、今こそ資産価値の再評価が必要です。


3. 対象範囲と前提

ここでは主に米国の上場株式・債券に関する話をしますが、これは他の資産や市場にも応用可能な考え方です。行動は心理的な影響で互いに連鎖するためです。


4. 価値(Value)とは何か?

  • 投資対象には「価値(intrinsic value)」があり、これは主に「基礎的ファンダメンタルズ(earning power)」に由来します。現在の収益力だけでなく、将来の収益予測、経営陣の力量、新製品開発力、資産構成やブランド、競争状況などが含まれます。
  • 有形資産だけでなく、特許やノウハウ、評判、人材、企業文化などの無形資産も価値の源泉となります。
  • これらファンダメンタルズが統合された形で企業のearning powerが形成され、価値が決まります。

5. 価格(Price)とは何か?

  • 価格は実際取引される金額であり、投資家の心理に依存して形成されます。
  • シカゴ大学で教わったように、理論価格は将来のキャッシュフローを割引現在価値で評価すべきですが、現実には投資家の主観的見解が価格に反映されます。
  • 株価は「投票機能(短期)/秤機能(長期)」と呼ばれ、日々の市場心理が価格を動かします(ベンジャミン・グレアムの表現)。

6. 価格と価値の相互作用

  • 資産を「価値に見合った価格」または「それ以下」で購入すれば、現在の収益と将来の収益成長による値上がりで高いリターンが可能。
  • 短期のパフォーマンスは価格変動の影響が大きく、長期では価格は価値に収束する傾向があります。ただし、そのタイミングは読めません。
  • 高評価(価格が価値より高い)では将来リターンは低く、逆に割安では期待できます。
  • ただし、短期では逆の動きが起こることもあり、価格が価値から乖離してさらに拡大することもあるため、バブルや暴落につながります。

7. 投資成果の構成要素

  • 優れた成果を得るには:
    1. 資産の価値を正確に見極める
    2. 適正価格で購入する
    3. その後の価格と価値の変化を予見する能力が必要
  • 投資家心理の影響が大きいため、価格が価値に向かって収束するかどうかを見極める洞察力が鍵となります。

8. 現在の市場評価(2025年初頭以降)

  • S&P500のフォワードPERは約23倍と高水準で、過去のデータでは10年後の年平均リターンが −2~+2%にとどまった例が多い。
  • 2025年前半は株価が一時10%下落。その後、関税問題の緩和期待などで反発し、年間でプラス9%の上昇。
  • インフレ懸念や財政赤字拡大、貿易・政治環境の不確実性がある中、市場は過熱しやすい状況。

9. 市場心理の指標

  • S&P500のPER・売上高倍率はいずれも史上最高水準。
  • 「meme株」と呼ばれる過剰な期待に基づく銘柄への投資も目立つ。
  • クレジット市場ではスプレッドが縮小し、リスクテイク志向が強まっている。

10. 「マグニフィセント7」の存在

  • 2023〜24年のS&P500の高リターンは、「マグニフィセント・セブン」(Apple, Microsoft, Alphabet, Amazon, Meta, Nvidia, Tesla)の圧倒的なパフォーマンスによるもの。
  • それ自体は合理的な評価とも言えるが、他の493銘柄も過大評価されており、総じて市場全体のバリュエーションは懸念すべきレベル。

11. なぜ好調?(バリュエーションが高いのに)

  • 投資家は楽観的であり、曖昧な情報も好意的に解釈する。
  • 2009年以降続く長期上昇相場により、ベテランも若年層もリスクに鈍感になっている。
  • 米国市場は依然魅力的と見られており、「今年は違う」との論調も存在。
  • AIなどの新技術への期待が高まっており、投資心理を押し上げている。

12. 総括:私見では「懸念すべき高値」

  • ファンダメンタルズは前年より悪化傾向だが、価格は高止まりしており「elevated(高値)からworrisome(懸念すべき状態)」へ移行と判断。

13. 投資姿勢への示唆(INVESTCON制度)

  • 市場が過熱時は以下のような段階的防御策を検討:
    6. 買いを止める
    5. 攻撃的保有を減らし、安全資産を増やす
    4. 攻撃的ポジションを売却
    3. 安全ポジションも整理
    2. 全 holdings を手仕舞う
    1. 空売りに移行
  • 現状ではレベル5(攻撃から防御へのシフト)が妥当。その後、信用投資は契約による利息収入があり、防御的選択肢として適している。

14. 法的留保

  • 本メモは著者の見解に基づくものであり、将来の成果を保証するものではありません。教育目的に限り提供される情報です。

以上が全文の日本語訳です。

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